台湾問題と中国の統一

1993年8月:中華人民共和国国務院新聞弁公室


四、台湾海峡両岸関係の発展とそれを阻害する力

 台湾海峡両岸の現在の分離状態は、中華民族の不幸である。中国人はみな、このような痛ましい状態を憂い、早期の終結を望んでいる。

 両岸人民の正常な往来と国家統一の実現のために、中国政府は和平統一の主張を提出すると共に、一連の両岸関係の発展措置を実施している。

 政治方面では、敵対感情の消去のために、関連政策の措置を調整している。最高人民法院、最高検察院は、台湾の人員の中華人民共和国成立前の犯罪行為を追訴しないことを決定した。

 軍事方面では、海峡両岸の軍事対峙状態を緩和するために、金門などの島嶼の砲撃を停止し、福建沿岸のいくつかの前線基地、観測所を開放して経済開発区あるいは観光地としている。

 経済方面では、門戸を大いに開放し、交流を促進し、台湾の経済人の大陸への投資や貿易活動従事のために来訪することを歓迎し、彼らの条件を優遇し、法律で保障している。

 その他、人員往来、郵便、電話、交通から科学技術、文化、体育、学術、新聞などの方面まで、中国政府は積極的な態度で、それぞれ適切な措置を講じ、両岸の各領域の交流と合作を鼓舞、激励、推進してきた。また、政府が権限を与えている民間団体「海峡両岸関係協会」を設立、台湾側の「海峡交流基金会」や関連して設立された民間団体と連絡して、両岸人民の合法利益を守り、両岸関係の発展を推進してきた。

 中国政府の台湾政策と措置は、日増しに、台湾同胞、香港、マカオ同胞および海外僑胞、華人の理解と支持を獲得している。多数の台湾同胞が、両岸関係の発展のために、多大な努力を払ってきた。台湾当局はこの数年間に大陸政策の相応の調整を行い、いくつかの画期的な措置を講じた。例えば、島内の人々が探親目的で大陸を訪問することを開放し、両岸の民間交流の制限を徐々に緩和し、間接貿易を拡大し、間接投資を開放し、両岸の電話、郵便、為替の手続を簡素化した。これらはすべて総合の交流に有利な措置である。近年来、両岸貿易は急速に発展し、人的な往来および各種の交流活動が不断に拡大している。1993年4月に挙行された「汪辜会談」では、四項目の協議を署名したが、両岸関係上の歴史的な意義を持つ一歩を踏み出している。台湾海峡には、四十年来の緩和的なムードが出現し、これは平和統一に対して有利なことである。  

 しかし、台湾当局は両岸関係について、いくらかの画期的な政策を実施したとはいえ、現在の大陸政策全体は厳重に両岸関係の発展と国家の統一を阻害しているものであることを指摘しなければならない。彼らは、口先では「中国は必ず統一する」というが、行動の上では一つの中国の原則にそむき、大陸との分離状態を継続維持し、平和統一問題の交渉の進展を拒絶し、障害を設置しさえして、両岸交流がもう一歩発展することを制限している。

 近年来、台湾島内の「台独」の活動が日増しに増大し、両岸関係の発展と国家の平和統一に対して暗い影を落としている。「台独」の発生の背景には複雑な社会歴史的根源があり、また、台湾当局が対話を拒絶し、交流を制限し、国際的に「重複承認」と「二つの中国」の政策を遂行することも、実際的には「台独」に活動の条件を提供している。重要なのは、台湾の同胞が台湾を自主管理することを要求することは、情に合致し合理的で正当なことであり、これは「台湾独立」とは異なるものであり、ごく少数の「台独」方針を遂行する人たちとは根本的に区別する必要があることを認識しなければならない点である。ごく少数の「台独」分子は「独立」を鼓舞し、ついには外国に頼って、台湾を中国の分離させることをたくらんでいるが、これは台湾同胞を含むすべての中国人民の根本的な利益に違背するものである。中国政府は、このような事態の発展を厳格に注視し、どのような「台湾独立」の行動についても、決して座視することはできない。

 国際勢力の一部は、中国の統一を希望せず、さまざまな方法で中国の内政に手を出し、台湾当局の「反共対話拒否」政策と島内の分裂政策を支持し、中国の平和統一の障害を造り出して中国人民の民族的な感情を深刻に傷つけている。

 中国政府は、広範な台湾同胞の要求は国家統一であり、台湾官民の政治的な力の大多数は国家の統一を主張するものと固く信じている。両岸人民の共同の努力により、前述の障害と妨害の力必ず排除することができ、両岸関係は必ずやさらに良好な発展を勝ち取るに違いない。

[TOP][Home] [Index] [目次] [前へ] [次へ]