国家統一綱領

中華民国八十年二月二十三日国家統一委員会第三次会議通過
中華民国八十年三月十四日行政院第二二二三次会議通過

T.まえがき
         中国の統一は、国家の富強と民族の永遠の発展を求めるにあたり、国内外の中国人の共通の願望である。海峡両岸は、理性に基づき、平和、対等、互恵の前提のもとで、適当な期間の誠実な交流、合作、協商、民主の確立、自由、富の平均の共通認識で、共同で一つの統一的中国を建設しなければならない。この認識にもとづき、特に本綱領を制定し、国内外のすべての中国人が心を同じくして、ともに目的を達成すべく努力することを期待する。

U.目標
        民主、自由、均富の中国を建設すること。

V.原則
一、 大陸と台湾はひとしく中国の領土である。国家の統一を促進することは中国人の共同の責任である。
二、 中国の統一は全民の福祉のためのものであり、党派の争いではない
三、 中国の統一は、人間の尊厳の擁護、民主主義的な法治の実践の教義によって中華文化の発揚を行なうものでなければならない。
四、 中国の統一の時期と方式については、まず、台湾地区の人民の権益と安全および福祉の擁護を尊重し、理性にもとづき、平和、対等、互恵の原則の下、段階を分けて逐次的に達成しなければならない。

W.進行工程
一、 初期工程――交流互恵段階
(一) 交流により相互理解を促進し、互恵によって敵意を解消する。交流においては相手方の安全と安定を危くさせず、互恵においては相手方の政治体制を否定せず、良質の相互関係を確立する。
(二) 両岸交流の秩序を確立し、交流の標準を制定し仲介する組織を設立し、それによって両岸人民の権益を擁護する。各種の制限を徐々に撤廃し、両岸の民間交流を拡大し、それによって双方社会の繁栄を促進する。
(三) 国家統一の目標の下で、両岸人民の福祉を増進させる。大陸地区では経済改革を積極的に推進し、徐々に言論を開放し、民主的な法治を実行する。台湾地区では憲政改革を加速し、国家建設を推進し、富を平均化した社会を建設する。
(四) 両岸の上級の人士の相互訪問を推進し、協商を統一する有利な条件を創造する。
二、 中期工程――相互信頼と合作段階
(一) 両岸は。政府間の対等な交渉の経路を確立すべきである。
(二) 両岸の直接の通郵、通航、通商を開放し共同で大陸東南沿岸地区を開発し、さらに、その他の地区に徐々に展開して、両岸人民の生活水準の格差を縮小する。
(三) 両岸は協力して互いに助け合い、国際組織とその活動に参加する。
(四) 両岸の上級の人士の相互訪問を推進し、協商を統一する有利な条件を創造する。
三、 長期工程――協商統一段階
        両岸の統一協商機構を成立させ、両岸人民の願望に依拠し、政治の民主、経済の自由、社会の公平および軍隊の国家化を堅持し、共同で統一の大業を図り、憲政体制を研鑽し改訂する。これにより、民主、自由で富の平均化した中国を建設する。

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