真相伝えぬマスコミ
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東京・AK生
 三月二日、三日の両日、東京文京区にある財団法人善隣学生会館で起こった流血事件については商業新聞各社が大きく報道しました。しかし、一般商業紙によると事件のいきさつが正確に報道されていません。また、この事件の本質については一語もふれず、「中国人学生と日共派が乱闘」というかたちで、あたかも双方が殴り合いのけんかをしたかのような報道をしていますが、これでは事実をまったく歪めたものとしかいえません。もっとも甚しいのは毎日新聞の「東京で紅衛兵運動」という記事(三月二日の朝刊、夕刊)です。同紙は「紅衛兵運動の影響が日本で直接行動に現われたのははじめてである」として、真相を知らない一般市民の興味に訴え、紅衛兵運動への偏見をますますかきたてようとする悪質な報道といえます。賢明な方なら、この報道がいかにインチキで劣悪なものかすぐおわかりのことと思います。

 同紙はまたニセ日中友好協会員の語ったこととして「親中共派学生は電話線を切ったり、事務局員を監禁状態にするなどひどい挑発行為で、民主勢力のかく乱をねらっている」ととりあげていますがこのことはまっ赤なウソです。

 留日学生たちは一度として電話線を切ったこともなければ、事務局員を監禁状態にしたこともありません。かれらは事務局内部にふとんをつみあげてバリケードをきずき、自ら「監禁」したにすぎません。いかにニセ日中友好協会側がこういったからといって、その内容の真偽も確かめず、ウソっぱちを並べたたわごとをそっくりそのまま記事にするのが、真相を国民に知らせることを使命とする報道人のすることでしょうか。

 日本国際貿易促進協会
 友好商社部会下田幹事

 新聞は、こんどの事件を単なる中国人学生と日共系「日中友好協会」との乱闘であると報じているが、そうではない。明らかに日共中央の反中国指導部、つまり修正主義者が、日中友好を破壊するために仕組んだ中央幹部が先頭に立って指導し、しかもヘルメットをかぶり、六角棒をもった暴力団をつれてきて、中国人学生に数回にわたっておそいかかったのである。われわれ貿易業界は、日中友好をまもり発展させるためにこうした暴力と徹底的に対決しなければならない。


テロ行為による重傷者の氏名
 任政光さん、王政明さん、王俊英さん、劉道昌さん、簡仁さん、近野省三さん、日本人学生三人(特に名を秘す)

 被害者はいずれも頭部に激しい打撃をうけており、治療にあたった医師は「剣道の熟達者でなければできないような傷をうけている」「傷の状態からみて殺人を意図したとしか思えない」と語っている。

(日本と中国1967年3月13日第1面)

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