分裂当時の日中友好協会(正統)本部の中で造反団ニュースというミニコミ誌が発行され、そこで協会執行部を批判していたということは、日本共産党側のさまざまな資料で指摘されて、そのためにこのような文献が紛失せずに残っているのかもしれません。日本共産党側の資料では、この文献の内容が、華僑青年たちの襲撃の証拠であると主張しています。「一ヵ月も前から準備していた」という根拠は、このニュースの発行日が一九六七年二月一日で、善隣学生会館事件の一ヶ月前に当たるからでしょうか。どうも、少なくともこの件の主張については、日本共産党側の論証、証拠取調べには、ずいぶんと強引なところがあると思わざるを得ません。

2002年7月20日 猛獣文士


武器を敵に渡すな
−善隣会館放棄について−

 「絶対多数派であるにもかかわらず事務所を移したのは、妨害者たちの執拗な喰い下がりをうちやぶるためであります」と声明し、君たち現執行部が日中(正統)本部事務局を"みよしビル"に移転してから、すでに三ヶ月がすぎた。当時のこの行動は深刻な総括をおこない、貴重な教訓をひきだすべき重大な問題を含んでいる。

 君たちは、この問題について、どのように総括し、どのような教訓をひきだしたのか。

 私たちはこの問題の総括にあたって、次の諸点を指摘し現執行部の徹底した真の自己批判を要求する。

 一、移転がかりに戦術的に妥当だとしても、なぜ、文化資材等の貴重な友好運動の武器を放棄したのか。中国の第三次国内戦争の時期に、毛沢東主席は、戦術的に一時延安を蒋介石国民党の手に渡したことがあったが、貴重な文化財はかくすか、一緒に撤収するかして、敵には絶対に渡さなかった。大阪府連は妨害者の執拗な攻撃をうちやぶって、会員の武器財産を守って移転したではないか。

 君たちだけが、なぜ、そうできなかったのか。

 一、君たちが放棄しかえりみられない文化資材は、中国七億人民からわが国一億人民におくられたものであり、日中友好をねがう両国人民の貴重な共同の財産である。それを、こともあろうに日中友好の新たな妨害勢力−日本共産党指導部の支配下にあるニセ日中友好協会が、日中友好を破壊する武器として使っているのだ。

 君たちは座視していて、日中八億人民に顔向けができるとでも思っているのか。

 一、君たちが放棄した会館が、日中友好の妨害者に占拠され、さまざまな悪事をかさねるかれらの拠点となっている。在日華僑青年は、同会館をとりもどすために立上がっている。君たちは何をしているのか。大胆に会員と人民大衆に訴え、奪還闘争の先頭になぜ立てないのか、それは、君たちが妨害者の力を恐れ、正統会員と人民大衆の力に信頼を寄せていないからだ。君たちは他人に迫られてから出なく、自分ですすんで、このような思想にきっぱりと造反し、指導部としてのたたかう姿勢を早急に確立すべきである。

 (「造反団ニュース」一号−一九六七年二月一日発行)

(「中国研究」一九七七年3・4月合併号(80号))

[先頭][Home][華僑学生側資料目次]