[国内景気動向]
「日銀9月短観 続く改善−10年ぶり高水準」(10/3) ***
日銀の9月の企業短期経済観測調査(短観)は、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)が10年ぶりの高水準となった。企業の景気判断が大きく改善した一方、人手不足は一段と深刻になり、過剰から不足を差し引いた雇用人員判断は全体でマイナス28と、バブル経済末期の1992年2月(マイナス31)に迫る水準となった。
販売価格は製造業、非製造業とも先行き下落を見込んでおり、日銀が目指す2%の物価目標達成はなお遠い。
雇用判断は全体で前回の6月から3ポイント下落し、大企業、中小企業いずれも不足幅を拡大した。人手を確保できない分を補おうと、ITやロボットを活用する省力化投資に力を入れている企業が増えている。2017年度の設備投資額は全体で前年度比4.6%増と6月から1.7ポイント上方修正した。
一方、人手確保に向け賃金を上げる必要があり人件費の増加が懸念されるが、増加分を販売価格に上乗せする企業は限られている。値上げで競争力を失い、顧客離れを招くという警戒感がなかなか消えないためだ。
現状は、企業が利益を溜め込んでいると指摘があり、景気拡大には所得を拡大させる賃上げが不可欠であり、税制面から賃上げを促す仕組みを導入するなどの政府の取り組みが需要宇多と思われる(参考文献:信濃毎日新聞)。