[税制度]

「3%賃上げ企業、法人税負担20%台半ばに」

政府が2018年度税制改正で、3%以上の賃上げを行う企業の法人税を軽減し、課税所得に対する税額の割合を20%台半ばに下げる案を検討していることが分かった。すべての企業の法人実効税率(18年度は29.74%)自体の引き下げは見送り、賃上げする企業を減税する。最新設備などに投資する企業は追加の税優遇で支援することも念頭に置く。他方、利益を上げながら賃上げに動かない大企業は「研究開発減税」の対象から除外する。優遇策と圧力を組み合わせ、積極的な企業経営へと誘導する。

来月取りまとめる「生産性革命」の政策パッケージの柱として、与党の税制改正大綱にも盛り込む。一連の優遇策は、特定の政策目標にかなう企業の税負担を軽くする「租税特別措置」の拡充により実施する。

今回の法人税見直しは、業績改善で企業が溜め込んだ利益を、賃金や投資に振り向けさせ、経済を活性化させるのが狙いだ。所得拡大促進税制を衣替えして対応する。

現行制度では前年度比で2%以上の賃上げなどを行った場合に、大企業は給与総額増加額の最大12%、中小企業は最大22%を法人税から差し引ける。今回は3%以上の賃上げなどを条件に差し引ける額を拡充する。実質負担が25%程度になる仕組みを想定しており、さらに生産性を高める投資に踏み切る企業に税優遇を追加し、実質負担を20%程度まで引き下げる案も浮上している(参考文献:信濃毎日新聞)。