[自由貿易]

「TPP早期発効検討へ」(5/23) ***

離脱した米国を除く環太平洋連携協定(TPP)署名11カ国がハノイで開いた閣僚会合で、早期発効に向けた4原則を盛り込んだ付属文書を採択していたことが、明らかになった。「協定の解体を回避する」との表現で、合意済みの貿易・投資の自由化の大幅見直しを避けることを申し合わせた。米抜きのTPP11発効を目指す場合、再交渉すべきだという声もあり、こうした動きを封じ込める狙いがあるとみられる。

付属文書のタイトルは「TPPの前進に向けた原則」だ。閣僚声明とあわせて採択されたが、開示されていない。前文には「残る11カ国の結束が非常に重要だ」と記してあり、米抜きの発効といった表現を避けた閣僚声明に比べ強い表現となっている。付属文書が公表されなかったのは、米抜きの発効に自国内での反発が強い署名国に配慮したものと見られる。付属文書は「高い水準とバランスの取れたTPPを維持し、協定の解体を回避する」と明記した。さらに「全署名国の協定発効に向けた促進策を策定する」として、米国が再加入しやすい仕組みの導入も示唆した。

4原則は、米抜きの発効に向けた新たな枠組みを検討する際に留意する事項と位置づけた。11カ国は、11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に合わせて開くTPP閣僚会議までに、米抜きでの発効に向けた選択肢を用意する考えだ(参考文献:信濃毎日新聞)。