[国内金融情勢]

「日銀緩和、出口見えぬまま」(3/21) ***

日銀の黒田総裁が、20日で就任4年目を向かえた。大規模な金融緩和を手じまいとする出口がみえないまま、米国が利上げに動き、長期金利を低く抑えようとしている日銀の政策運営は困難さを増している。残る1年余りの任期中に、大規模緩和を終える展望を示せるかが焦点となる。

物価が思い通りに上向けば、日銀は緩和の出口を探ることになる。ただ、黒田総裁は、出口の議論は時期尚早だとして政策運営の将来像を明示していない。

金融緩和を続ければ円安ドル高が進み、対日貿易赤字の拡大に神経をとがらすトランプ政権を刺激する恐れがある。

一方、緩和継続は、財政規律の緩みを助長する危険性をはらむ。政府にとり借金の利払いが軽くなるため、国債発行への抵抗が弱くなる。大規模緩和が、結果として消費税増税の延期など財政規律の弱体化を招いたとの指摘もある(参考文献:信濃毎日新聞)。