[中国経済]
「進む香港の中国化」(7/1) ***
香港の主権が英国から中国に返還されて20年、最大の変化は中国の存在感が高まり中国化が進んだことだ。一方で、中国が高度の自治を約束した一国二制度には亀裂が生じた。今後も中国が一体化を加速させることは確実であり、香港社会の亀裂が危惧される。
1997年7月1日、英国旗ユニオンジャックが降ろされたとき、香港には祖国へ復帰する期待と社会主義国の一部になる不安が交錯していた。
2014年、選挙制度への不満や中国への反発から「雨傘運動」が起き、香港独立を主張する人たちも現れた。中国にとり最大の誤算だったろう。資本主義と社会主義という水と油をあわせた一国二制度が招いた必然の破綻ともいえるし、一方、一定程度の反映が続いているのはひとまず成功との見方も出来る。
習国家主席は、一国二制度は一国のほうが柱だと明言する。愛国教育を強化し香港の意識を変える決意の表明だ。ただ、本土と同様にネットまでも統制すれば、香港の自由と民主主義の将来が懸念される(参考文献:信濃毎日新聞)。