[国際金融情勢]

「FRB9月にも資産縮小」(7/28) ***

米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)は、金融政策を協議する連邦公開市場委員会(FOMC)で、焦点となっている保有資産の縮小を比較的早期に開始すると決めた。9月の次回会合で開始を決定する可能性を示した。金融政策の鍵を握る物価は上昇力を欠き、追加利上げを見送った。

金融危機対応からの完全な脱却を急ぐFRBに続き、欧州中央銀行(ECB)も世の中のお金の量を増やす量的緩和策の変更を今週に協議する方針だ。大規模な金融緩和を終わらせる出口戦略のめどが立たない日銀との差がいっそう際立ってきた。

FRBの資産は約4兆5千億j(約500兆円)に膨らんだ。2008年のリーマンショックへの対応で国債を買い取る量的緩和を実施したためだ。危機対応からの脱却を急ぐ背景には、FRBへの圧力をためらわないトランプ大統領が次期議長候補を指名する前に、縮小への確かな道筋をつけておきたいとの思惑が見え隠れする。

イエレン議長の任期は来年2月3日に切れる。議長は大統領が指名し、上院の承認を経て就任する仕組みだ(参考文献:信濃毎日新聞)。