[国際経済]
(1)米政権「対メキシコ輸入20%課税」検討(1/28) ***
トランプ新政権が、メキシコからの輸入品に20%の課税を検討していることが判明した。メキシコを米国への輸出拠点と位置づけしてきた日本の自動車各社にとり、導入されれば大打撃は必死だ。一方、低関税の恩恵を受けてきた米国の輸入企業に悪影響が出る可能性がある。
米国とメキシコ、カナダは北米自由貿易協定(NAFTA)を結び、3カ国間の関税はゼロだ。そのため、日本の自動車各社は米国での現地生産のほか、労働力が比較的安いメキシコにも工場を建設し重要な戦略拠点としてきた。2015年度の大手4社の生産台数は135万台に上り、計画中の新工場が稼動すれば150万台を超える。ある大手幹部は「輸出先を米国から他の地域に変更することもありうる」という。
トランプ政権は、関税だけでなく共和党が提案する法人税改革を進めるとの見方が強い。米国に拠点を持ち海外に輸出する企業を優遇する一方、米国内の企業が製品や部品を輸入する際の課税を強化する仕組みだ。日本政府内では「輸出企業を優遇する補助金とみなされ世界貿易機関(WTO)協定違反と認定される可能性がある」との指摘が出ている(参考文献:信濃毎日新聞)。