[国内景気動向]

「景気拡大期間戦後3位、実感は乏しく」(4/9)***

第2次安倍政権が発足した2012年12月からの景気拡大が3月で52ヶ月を迎え、90年前後のバブル景気を抜き戦後3位の長さに達することが確定的となった。内閣府は2月の景気動向指数で景気改善の見方を維持し、3月以降も回復傾向が続く見込みだ。円安による改善が進むが、個人消費は置き去りで、家計には好景気の実感が乏しい状況だ。

バブル景気は86年から91年にかけて51ヶ月続いた。最長記録は、小泉政権時代の02年に始まり08年まで続いた73ヶ月だ。現在の景気拡大が仮に今年9月まで続けば、65〜70年までのいざなぎ景気を抜いて2位に浮上する。  安倍政権のアベノミクスは、日銀の金融緩和と財政出動で円安株高に導き、主に大企業が潤った。14年4月に消費税を8%に上げると、景気は一時的に冷え込んだが後退局面までには至らなかった。好調な海外経済や公共事業に支えられた面が大きい。その後、消費税の10%への増税が2度にわたり延期されたが、消費は盛り上がりを描いたままだった。

毎年の実質成長率が10%を超えたいざなぎ景気、5%前後を維持したバブル景気と比べ、13年以降は0.3〜2.0%の低成長にとどまっている。非正規労働者の増加で所得格差が開き、賃上げも十分に進んでいないことも景気拡大の実感が広がらない要因となっている(参考文献:信濃毎日新聞)。