[国内景気動向]

「日銀3月短観、輸出好調、消費は鈍く」(4/4) ***

日銀が発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)は、大企業製造業の景況感が2期連続で改善した。一方、コンビニが値下げに踏み切るなどデフレの影もちらつく。

海外の経済拡大を受け、自動車など輸出企業の好調さは短観でも裏付けられる。しかし、国内では原油価格の持ち直しや円安の影響で、電気、ガス料金も上昇傾向にある。今春闘ではベースアップ(ベア)が前年割れで、国民保険の保険料が段階的に引き上げられる反面、公的年金の支給額は物価下落に合わせ減る見通しだ。家計には厳しい状況が続く。

短観では、企業の人手不足を示す指標がバブル経済末期の1992年2月以来の水準となった。訪日外国人の増加を受け忙しい日本ホテル協会によると、約250の加盟ホテルのうち約8割で人手不足を感じているという。人口減少や高齢化による労働供給不足が日本経済の成長の制約要因になりつつあるとの警鐘が鳴らされている(参考文献:信濃毎日新聞)。