[国内金融情勢]
(1)日銀総裁、利上げは尚早(12/21) ***
日銀は金融政策会合を開き、金融緩和策の据え置きを賛成多数で決めた。黒田総裁は、長期金利の誘導目標の引き上げは「具体的に議論するのは時期尚早」と述べた。物価上昇率2%の目標を早期に達成するため、現行の政策を当面維持する。
国内景気の現状判断は、海外の改善で輸出や生産が持ち直したことを受け「一歩進めた」と上方修正した。
また、短期金利をマイナス0.1%、長期金利を0%程度で推移させる枠組みの継続を決定した。消費者物価指数の上昇率は10月まで8ヶ月連続でマイナスが続き、低迷している。黒田氏は物価2%目標の達成には距離があると指摘した。
11月の大統領戦後、トランプ氏への期待感から米金利が上昇し、日本の長期金利もマイナスからプラスへと浮上した。日銀が急激な変動を回避するため国債買い入れ増額などを実施したが、16日には長期金利の指標である新発10年債の利回りが一時、0.1%まで上がった。
日銀は景気判断で、前回の「輸出・生産面に鈍さ」との表現を削除し「緩やかな回復を続けている」との見方を示した。個人消費は底堅く推移しているとし、判断を引き上げた(参考文献:信濃毎日新聞)。