[国内景気動向]
(1)景気判断一歩前進―消費増税の反動収束(5/23) ***
日銀の黒田総裁は、金融政策決定会合後に、消費税増税後の落ち込みから個人消費や住宅投資が持ち直しているため、景気全体の判断を「半歩というか一歩前進させた」と述べた。これを背景に物価の基調は着実に改善しているとして、2%の物価上昇目標の達成に自信を示した。
総裁は「消費が回復しているのは駆け込み需要の反動減が収束し、雇用・所得の改善が続くと見られるためだ」と説明した。総裁は、今春闘での賃上げが6月ごろから給与に反映されるとして、「個人消費がさらに伸びを高めていくと期待する」と話した。
一方、消費者物価の前年比上昇率は、増税の影響を除き0%程度と伸び悩んでいる。原因の一つであった個人消費が上向いてきたこともあって、総裁は現在追加金融緩和が必要はないとした。
この日、東京証券取引所第一部の時価総額が終値で過去最高となったことは、企業収益の改善を反映していると分析し、株価バブルとの見方を退けた(参考文献:信濃毎日新聞)。