[国内景気動向]

(1)日銀3月短観、景況感足踏み(4/2) ***

日銀の企業短期経済観測調査(短観)は、急回復した業績の継続に多くの企業が自信を持てず、先行きへの不安があることを浮き彫りにした。円安や原油安の恩恵は一時的に過ぎない。人口減少による将来の市場縮小や深刻さを増す人手不足など日本経済の課題がのしかかる。

今回の短観で注目されたのは、大企業製造業のうち、円安の追い風を受け好業績が続いているはずの自動車と電気機械の景況感が前回調査と変わらなかったことだ。日銀は企業が慎重姿勢を崩さない理由を「円安による業績向上は実力ではなく、今のような状況が長続きはしないと考えている」と分析している。海外経済先行き不透明感も加わり、景況感の遅れにつながっているとみる。

短観の28業種のうち、大企業では非鉄金属など9業種の景況感が悪化し、3ヵ月後の先行き悪化を予想したのは17業種だ。

大企業が採用数を増やす中、中小企業は人材の確保に苦慮している。仕入れ価格の上昇に加え、賃上げによる人件費の増加傾向が、中小企業の大きな負担となっている(参考文献:信濃毎日新聞)。

[日銀短観の大企業業種別業況判断]
今回 (変化幅) 先行き
製造業 12 (0) 10
非製造業 19 (2) 17
全産業 16 (2) 14