[国内景気動向]
(1)消費税増税1年、国内指標目立つ株高(3/28) ***
増税後1年がたち、国内景気は回復がまだら模様となっている。企業の生産や収益が回復する一方、個人消費は戻らず、株高ばかりが目立つ。春闘は大企業を中心に高額の賃上げが相次ぐが、地方や中小企業に波及するかどうかが課題で、消費が増税前の水準まで戻すには時間がかかるとの見方もある。
厚生労働省が27日発表した2月の有効求人倍率は1.15倍と、22年11ヶ月ぶりの高水準だ。企業が人手不足を受け採用意欲を高めていることが背景にある。
企業関連の経済指標は復調が目立つ。円安や輸出の持ち直しで、鉱工業生産指数は1月に速報で102.4と増税前の水準を回復した。14年10〜12月期の法人企業統計では企業の経常利益が過去最高となり、日経平均株価は2万円に迫る勢いとなっている。
しかし、このような情勢は家計にまで及んでいないのが実情だ。総務省が発表した2月の消費支出は11ヶ月連続のマイナスだった。原油安で物価上昇の勢いが弱まっているが、円安や増税に伴う物価高に賃上げが追いつかず、実質賃金の下落が続く状況に変わりはない。
増税後の消費の落ち込みは想像以上だった。今後は政府の賃上げ要請や原油安により実質賃金が改善し、消費も回復に向かうといえるが、消費が駆け込み需要前の水準に戻るのは16年になりそうだという声は多い(参考文献:信濃毎日新聞)。