[雇用情勢]
(1)15年春闘、地方・中小への波及焦点(3/3) ***
2015年春闘は、中盤戦に入り、けん引役とされる電機、自動車業界で前年を超えるベースアップ(ベア)の実施が確実な情勢だ。流通や金融にもベアの動きが広がりつつあり、地方企業や中小企業への波及も焦点となる。
日立製作所やパナソニックなど各社の経営側は、業績回復や政府の要請を背景に「前年並みでは世間の納得が得られない」との認識で一致した。現時点で前年の2000円を上回る2500円を事実上容認している。そして、自動車各社のベア交渉も、前年を上回る水準での駆け引きとなりそうだ。
百貨店最大手の三越伊勢丹は、11年に三越と伊勢丹が合併して以来初のベアが実現する公算が大きい。消費税増税の影響が残るが、外国人向けの売上が拡大するなど先行きに明るい兆しがあり、賃上げで従業員の士気向上を図る。
金融業界も「物価上昇率を意識しながらベアの水準を考える」という立場だ。三菱東京UFJ銀行など大手三行の労組は、いすれも前年実績を上回る1.5〜2.0%のベアを要求する(参考文献:信濃毎日新聞)。