[国際金融情勢]

(1)ギリシャ債務不履行の恐れ(6/29)

欧州連合が今月末に期限を迎える金融支援延長を拒否し、ギリシャがデフォルト(債務不履行)に陥る恐れが強まっている。EUや欧州中央銀行(ECB)は、金融市場の安定化に向け全力を挙げる方針だ。

ギリシャのデフォルトやユーロ圏離脱が現実のものとなりかねないため、単一通貨ユーロが最大の危機を迎えた。ギリシャ議会が28日、EUによる金融支援の受け入れの是非をめぐる国民投票の実施を承認し、混迷は一段と深まった。

EUは30日が期限となる支援の打ち切りを通告し、ギリシャが同日に迎える国際通貨基金(IMF)への債務返済が難しくなった。

ユーロは米ドルに次ぐ世界2位の取引規模を持つ。ギリシャ経済はユーロ域内のGDPの2%程度に過ぎず、デフォルトやユーロ離脱となっても影響は大きくないとの楽観論もある。ただここでギリシャを見捨てれば、財政基盤が比較的弱い他の国に飛び火する恐れがある。投資家がイタリアやスペインなどの国債や株式を売り浴びせれば、欧州最大の経済国のドイツでさえ無傷ではいられない。通貨の信任を保つため、EUとECBは最大限の努力を払う必要がある(参考資料:信濃毎日新聞)。