[国内景気動向]

(1)GDP改定値大幅な伸び(6/9)***

内閣府が発表した1〜3月期の実質GDP改定値は、前期比の年率換算が3.9%増の大幅な伸びを示した(表参照)。景気実感に近い名目GDPが年率9.4%増を記録した。好調な設備投資にけん引されたが、個人消費の回復は鈍い。円安に伴う輸入品の価格上昇も懸念され、景気改善が中小企業の多い地方へと波及していくかどうかは不透明だ。

設備投資は速報値の0.4%増から2.7%増となり、伸びは非製造業にも広がっている。実質の個人消費は0.4%増と消費税増税の影響から脱し切れていない。4月の家計調査ではサラリーマン世帯の消費支出が前年同月比0.5%増となった一方、自営業者の世帯は3.9%減だった。大企業と違い、自営業者らは所得が上向かず節約志向が強いと見られる。しかし、今後賞与や賃金が上がるという見方が定着すれば、都市部や大企業が引っ張る形で地方も消費が回復する可能性はあるだろう(参考文献:信濃毎日新聞)。

[1〜3月期のGDP改定値の内容](数字は前期比、%)
実質GDP 1.0
(年率換算) 3.9
個人消費 0.4
住宅投資 1.7
設備投資 2.7
公共投資 −1.5
輸出 2.4
輸入 2.9