[雇用情勢]

(1)労組強気ベアで駆け引き(1/27) ***

2015年春闘で、自動車や電機の主要な労働組合は業績回復や政府の要請を背景に、強気な姿勢でベースアップ(ベア)を要求する方針だ。経営者側はベアを容認する構えだが、上げ幅をめぐって激しい駆け引きが予想される。

春闘の相場全体への影響力が大きい自動車や電機の大手労働組合は、前年を上回る月額6千円のベア要求で足並みをそろえる。消費税引き上げや円安による輸入食材などの値上がりで家計は厳しく、ベアによる対応が不可欠と主張している。

三菱電機の柵山社長は「一時金で還元するのが原則だが、政府要請もありそれだけで通用しないのも理解している」とベアを示唆する。前年の妥結額がスタートラインとなりそうで、前回2千円の統一回答を導きだした電機連合の有野中央執行委員長は「ホップ、ステップといった具合にいきたい」と上積みを狙う。経営者側は、中長期の固定費増となるベアは極力抑えたい考えだ。富士重工業の吉永社長は「円安効果は会社の実力ではない」と、海外売上がかさ上げされて好業績が演出されている面を指摘し、強気の労組側をけん制する。

自動車、電機の大手の交渉が中小企業にどう影響されるかも焦点だ(参考文献:信濃毎日新聞)。