[国内景気動向]

(1)日銀15年度物価見通し1.0%に大幅下げ(1/22) ***

日銀は、金融政策決定会合を開き、2015年度の消費者物価指数(生鮮食品を除く)の上昇率見通しを従来の1.7%から1.0%に大幅に引き下げた。原油価格の急落で物価の伸びが鈍化しているためだ。ただ、原油安の影響は一時的として、大規模な金融緩和の現状維持を決めた。

ずれ込む可能性黒田総裁は会見で、2%の物価上昇目標の達成時期は、15年度を中心とする期間とし変更しないと強調した。原油価格の変動で多少前後する可能性はあるとも語り、16年度にずれ込む可能性も排除しなかった。

15年度の実質GDPの成長率見通しは、1.5%から2.1%へ上方修正した。政府の経済対策や原油安による企業業績と個人消費の改善を見込んだ。国内景気の現状判断は緩やかな回復として、16ヶ月連続で据え置いた。

黒田総裁は、原油安は企業収益の改善や家計の購買力の上昇を通じて景気回復を後押しするため、長期的には物価を引き上げる要因になると指摘した。賃上げに向けた春闘交渉を進み、企業や個人のデフレ意識の転換は着実に進展しているとして、物価上昇の基調的な動向に変化はないとした(参考文献:信濃毎日新聞)。