[金融情勢]
(1)日銀、緩和路線強化へ(2/26) ***
宮尾審議委員が3月25日で任期満了となるため、日銀の新しい審議委員に原田早大教授が就任することが決まった。原田氏は積極的な金融緩和でデフレ脱却を目指すリフレ派として知られる。昨年10月の追加緩和決定は、5対4の僅差だっただけに、原田氏の任命で、安倍政権は現在の大規模な金融緩和路線を盤石にする狙いがある。
原田氏は、安倍首相のブレーンである浜田宏一内閣官房参与との共著もあり、首相や黒田日銀総裁とも考え方は近い。今回の人事は、追加緩和のきわどい採決結果に危機感を持った官邸が主導した。
6月30日には追加緩和に反対した経済界出身の森本審議委員が任期を迎える。審議委員には経営者、学者、エコノミストなどの出身者が就くが、退任する委員の後任には同じ出身者が選ばれることが多かった。しかし、官邸では、枠にこだわる必要はなく、金融緩和に理解がある人材が望ましいとする考えだ。
森本氏の後任に緩和積極派が起用されれば、大規模緩和を一段と推進しやすい環境が整う(参考文献:信濃毎日新聞)。