[EU経済]

(1)通貨ユーロとは(2/7) **

二度の世界大戦などで欧州では戦争が繰り返されてきた。再び戦争が起きないように出来るだけ足並みをそろえていこうと考えた国々が、経済面でも一体化が進むように共通の通貨ユーロを使うことにした。2002年、ドイツ、フランス、イタリアなど欧州連合(EU)加盟の12カ国でユーロの流通が始まった。単一通貨の導入に国民の反対が強い英国は参加せず、ポンドを使っている。

通貨が同じだと、他の国へ投資がしやすくなり、旅行者が現地通貨に両替する手間が省けたりして、経済活動を円滑に行うことが出来る。特に、国際的な企業にとり大きなメリットがある。

しかし、ユーロを使っている国では、その国の経済情勢を通貨の価値が反映しないというデメリットがある。ギリシャでは失業率が25%を超えるなど、欧州では最悪の経済情勢にある。一方、ドイツは財政が黒字で景気も堅調だ。しかし、両国は共通のユーロを使っている。観光業が盛んなギリシャでは、もし経済情勢を反映して通貨が安くなれば外国からの観光客の増加が期待できる。そのため、ギリシャでは「ユーロから離脱すべきだ」という声も上がっている(参考文献:信濃毎日新聞)。