[国内景気動向]
(1)増税による消費低迷、補正や減税で9月反攻を‐高橋洋一(8/12)***
17日に公表される4〜6月期の実質GDP速報値は、前期比マイナス成長になると民間シンクタンクの多くが予想している。7月末の公表の民間シンクタンク11社の予想の平均値は、実質GDPが前期比0.5%減、年率換算2.1%減と11社すべてがマイナス予想であった。
悪化の要因は、第一に消費である。6月の実質消費は前年比2.0%減、4〜6月期の実質消費水準指数は前期比1.0%減であった。1年前の消費増税の影響が長引いているのだ。消費増税は恒久的なものであり、マイナス効果は1年限りではなく永続的である。消費はそのマイナス影響をまだ飲み込めていない。大きなマイナスの寄与度になっているのは、交際費、男子用上着・ズボンなどである。
消費回復の足を引っ張っているのは、賃金が思ったほど伸びていないことである。賃金の上昇は遅行性がある。就業者数は順調に増加し、6月の失業率は3.4%と過去最低に近いが、完全雇用とはいえないという状況もあって、賃金の伸びはいま一歩だ。
GDPの約6割は消費である。消費がだめならば、GDPは伸びない。住宅投資はそこそこで、政府消費や政府投資は堅調だが、民間消費が足を引っ張るので内需はさえないのが実情だ。しかも、輸出も海外経済の減速で停滞気味である。
ここは景気対策を打つべきである。財源ならば外国為替資金特別会計の約20兆円がある。消費増税で景気停滞を導いたのだから、財政支出や減税でリカバリーすべきである。その上で、金融政策として追加緩和を検討すべきではないか(参考文献:信濃毎日新聞)