[国際金融情勢]
(1)中国インフラ銀行で攻勢(4/19) ***
自らが主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)を引っさげ、米ワシントンに乗り込んだ中国は、20カ国・地域(G20)財務省・中央銀行総裁会議の影の主役だった。攻勢をかける中国に、国際金融分野の既得権益を奪われかねない日米は焦りを隠せない。
中国が狙うのは世界銀行、国際通貨基金(IMF)、アジア開発銀行(ADB)を柱とする国際金融秩序の刷新だ。中国は第2位の経済大国となったが、国際金融の主導権は依然、日米欧が握っている。新興国に共通する既存体制への不満も存在している。これが、AIIBが支持を集める原動力となったのは明らかだ。
AIIBは57カ国が創設メンバーだ。その中にG7に名を連ねる英国、ドイツ、フランス、イタリアも含まれていることが日米に対応を難しくしている。日本の財務省は先進国からの参加はないだろうと高をくくっていたが、英国が参加を決めると雪崩を打つように他の3カ国も加盟を表明した。これでAIIBの信用力が一気に増した。
麻生財務大臣とルー米財務長官は、AIIBに融資などの国際基準を守らせるには、既存の国際機関との協調融資が有効との認識で一致した。日米それぞれが大きな影響力を持つ世界銀行、ADBを融資にかませ、AIIBの運営に間接的に関与したいとの思惑が透けるが、中国が乗ってくるかは不透明だ(参考文献:信濃毎日新聞)。