[国際金融情勢]
(1)FRB、利上げ時期が焦点に(9/19) ***
米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は17日、事実上のゼロ金利解除の時期について「経済指標次第だ」と繰り返した。早期の利上げ観測をけん制するとともに、雇用や物価が改善を早めれば、利上げ開始を前倒しする可能性に言及した。金融政策の自由度を高めようと躍起だ。
FRBが17日発表した声明の焦点は、量的緩和策を10月で終えた後、ゼロ金利を相当な期間続けるとした利上げの開始時期をめぐる表現だった。しかし、今回の声明は従来の表現を踏襲した。イエレン議長は「相当な期間が意味する機械的な解釈はない」と強調した。条件次第で解釈変更が可能として、市場に肩透かしを食わせた。
これについては、イエレン議長には苦い失敗がある。議長就任間もない3月に「相当な期間とは6ヶ月程度だろう」と言及した。来年春には利上げがあると受け止められ、市場の混乱を招いただけに、発言には慎重だ。
政策決定の自由度を高めたいFRBの思惑に対し、市場は利上げのシグナルに過敏になっている。導入後5年9ヶ月が経過したゼロ金利の円滑な解除にこぎ着けるまでは、市場との一段の対話が求められそうだ(参考文献:信濃毎日新聞)。