[為替レート]
(1) 1ドル=106円、5年11ヶ月ぶり円安水準(9/10) ***
円相場が急落し、約5年11ヶ月ぶりに一時、1ドル=106円台を記録しました。暮らしや企業の業績にも影響がありそうだ。
円安は、米国の景気回復の期待が高まったためだ。景気回復により米連邦準備制度理事会(FRB)が、金利を引き上げる時期が早まるもしれないからである。逆に、日本は増税後の景気の落ち込みが予想より大きく、超低金利がまだ続きそうだ。日米の金利差が広がり、ドルに投資する投資家が増え、円を売ってドルを買う動きが広がった。
円安になると、暮らしにも影響を与える。輸入に頼る小麦粉や大豆といった食品の価格が上がる恐れがある。過去に円安が進んだ局面でも、パンや菓子など身近な食料品が値上がりする要因になりました。円安になると、原油や液化天然ガス(LNG)などの輸入価格が上がるので、ガソリン、灯油、軽油、電気料金なども値上がりする。
企業への影響は、原料の輸入価格が上がると、支払いが増え、コストの上昇分を販売価格に転嫁できないと、もうけが減ってしまう。逆に、海外へ輸出する製品はドル建て価格が上昇するので、自動車や電機という輸出企業の業績は改善が期待できる。
海外旅行への影響は、円をドルなどへ両替したときに受け取る外貨が少なくなるため、海外旅行の負担が重くなる。反対に、ドルなどの外貨を円に両替すると、より多くの円を受け取ることが出来るので、海外からの旅行者には有利になる。訪日旅行者が増えれば、観光業界には追い風となる(参考文献:信濃毎日新聞)。