[電力産業]

(1)再生エネ政策、買い取り制度見直し開始(10/16) ***

経済産業省は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を抜本的に見直す議論を本格スタートさせた。年内に一定の結論をまとめ、来年度の買い取り価格の議論に反映させる考えだ。

再生可能エネの導入拡大に伴い、国民負担が増していることから

  @ 買い取り価格の低減
  A 国民負担の上限設定
  B 太陽光偏重の是正

などを幅広く検討し、持続可能な制度に作り直す。

導入から2年で抜本見直しに追い込まれた事態に、制度設計を失敗したのではないか という強い批判が出ている。

これまで政府は、導入拡大を優先し、太陽光を中心に再生可能エネルギー事業者に利益が出るように、買い取り価格を高めに設定していたが、入札制など競争原理を導入して引き下げる方針だ。

適用価格のあり方も見直す。現行制度では、買い取りに際して認定時の価格を適用している。しかし、発電コストは年々低下しており、事業者が認定だけ早々と取得して発電開始を遅らせ、過剰な利益を得ているケースがある。このため発電開始時の価格に改めることを検討する。

大規模太陽光発電所(メガソーラー)の設備認定の一時中断や、地熱、風力など太陽光より割安な再生エネの拡大も課題となる。

大手電力会社では買い取り契約の手続きを中断する動きが広がっている。経済産業省は、電力会社の受け入れ可能量などの検証も進める(参考文献:信濃毎日新聞)。