[経済政策]

(1)政府、成長戦略素案を提示、企業や株価重視(6/17) **

政府は、新たな成長戦略の全容を示した。安倍首相が岩盤と呼ぶ農業、雇用、医療分野の規制を改革し、人手不足に直面する日本社会の活路を女性と外国人に求める方針を打ち出した。株価を重視し、投資家や産業界の要望に応じた企業よりの政策が目立つ。家計や地域経済への波及効果は不透明だ。

政府はこれを素案として、与党と調整して27日の閣議決定を目指す。法人税減税もあげているが、財源の裏づけもなく見切り発車の側面が残り、農業など関係者の異論が強い分野の改革は具体化まで曲折をたどりそうだ。

成長戦略は「日本産業振興」「戦略市場創造」「国際展開戦略」の三つの行動計画を掲げ、デフレ状況から脱却しつつある今こそ、大胆な施策を講じる好機であり、ラストチャンスでもあると安倍首相は強調した。

法人税減税は15年度に着手し、35%の実効税率を数年間で20%台に引き下げる。公的年金を管理する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、国内債券中心の運用を見直し、元本割れのリスクがある株式への投資を増やす。

将来の人口減を見据え、女性の就労を促し、外国人の受け入れも拡大する。学童保育の充実や子育て支援員(仮称)の資格創設により女性の育児負担を軽減し、職場での活躍を後押しする。外国人の技能実習制度は、滞在期間を延ばすほか、対象に介護を加え拡充する。地域限定で規制緩和を先行実施する国家戦略特区で、家事支援を担う外国人を受け入れる(参考文献:信濃毎日新聞)。