[雇用情勢]
(1)最低賃金平均16円増(7/30) ***
厚生労働省の諮問機関である中央最低賃金審議会は、2014年度の地域別最低賃金について、全国平均で時給16円増の780円(現行764円)とする目安を田村厚生労働相に答申した。増加幅は前年度実績の15円を上回り、3年連続で2桁の増加となり、時給で示し始めた02年度以降では最大の増加幅だ。最低賃金はパートやアルバイトなどの時給などに影響する。景気回復による雇用情勢改善が引き上げにつながった。
各都道府県の上げ幅の目安は13〜19円で、目安以上の引き上げが実施される見通しだ。最低賃金で働いた場合の手取り収入が、生活保護を下回る逆転現象がおきている北海道、宮城、東京、兵庫、広島の5都道府県すべてで逆転現象が解消される。全地域での解消は両者の比較を始めた08年度以降初めてだ。
総務省によると、消費者物価指数の前年同月比の上昇率は、消費税引き上げの影響で6月まで3ヶ月連続で3%を超えた。一方、目安どおり引き上げても最低賃金の上昇率は2%程度にとどまり、低所得者の所得の伸びが物価に追いつかない。これでは、家計は苦しくなる。最低賃金が大幅に増えなければ、働く人全体の処遇改善につながらず、消費拡大にもつながらない(参考文献:信濃毎日新聞)。