[金融情勢]

(1)日銀、大規模緩和を強化(2/19) ***

日銀は、金融政策決定会合を開き、成長分野への融資を増やした金融機関に年0.1%の低金利でお金を貸し出す「貸出支援基金制度」の規模を2倍にし、来年3月末まで1年間延長することを決めた。日銀の黒田総裁は、制度の拡充は「金融緩和の経済波及効果を強化するものだ」と述べた。

黒田総裁は、銀行が積極的に貸し出しするように促すことで企業や個人の資金需要を増やし、昨年4月に導入した、お金の量を今年年末に270兆円にするという大規模な金融緩和を補強するのが狙いと説明した。拡大の規模が事前の予想を上回ったことを好感し、日経平均株価は前日比450円高と大幅続伸し、円安も進んだ。

貸出支援基金制度のうち、成長分野に貸し出す枠組みは、小口融資分などを除いて現行の3兆5千億円から7兆円に倍増した。分野を問わず融資を増やせば利用できる枠組みも、増加額の2倍まで活用できるようにした。この制度とは別に東日本大震災の被災地の金融機関を対象に、同じ年0.1%の低金利で資金供給する枠組みは、4月末に迎える受付期限を1年間延長する。

日銀は市場に流すお金の量の増加ペースは変更しないため、追加金融緩和ではないとしている。黒田総裁は、「貸出増加、成長力強化に向けた日銀としての強い支援の姿勢、メッセージを含んでいる」と強調し、「金融機関の一段の積極的な行動を促す」と期待を表明した。

日銀は会合で、昨年4月に導入した大規模な金融緩和の継続も全員一致で決定した。国内景気の現状判断は、緩やかな回復を続けているとして、5ヶ月連続で据え置いた。先行きは、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要とその反動を受けつつも、基調的には緩やかな回復を続けていくとの判断を維持した(参考文献:信濃毎日新聞)。