[国際収支]
(1)14年上半期経常赤字、大幅改善は難しく(8/9) ***
海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支が今年上半期(1〜6月)は赤字に転落した。日本企業が生産拠点を海外に移したことを背景に輸出の伸びは鈍く、専門家の間では収支の大幅改善は難しいとの見方が出ている。
経常収支の悪化は、原発停止により燃料輸入が増えて貿易赤字が増加したことが主な要因だ。一方、輸出は、円安や米国経済の回復という好条件がそろった割には伸びていない。トヨタ自動車は4〜6月期に最高益を記録したが、日本からの輸出台数は前年同期を約14%下回った。自動車は部品も含め生産拠点を販売先の現地に移し、輸出が増えにくくなったと指摘される。
経常赤字が膨らむと、日本の財政への信任が揺らぎ、国債が売られ金利が急上昇する恐れがある。日銀の金融緩和策で1〜2年間は低金利状態が続くと見られるが、3年後は分からない。金利が上がる前に財政再建を進めたほうがよいという指摘もある(参考文献:信濃毎日新聞)。