[金融情勢]

(1)物価目標2%、2年で(3/22) ***

日銀の黒田総裁は、就任後初の会見に臨み、デフレ脱却の目安となる2%の物価目標の達成に向けて「量的、質的に大胆な金融緩和を進める」と表明した。目標は「2年で達成できると確信している」とし「可能な限りあらゆる手段を講じる」と強調した。4月の金融政策決定会合で、国債購入の強化を柱とする追加金融緩和に踏み切る構えだ。デフレと決別できるか「黒田日銀」の実力が試される。

追加緩和の具体策は、残存期間のより長い国債を購入したり、14年開始予定の無期限緩和方式を前倒しして導入し、国債の購入ペースを引き上げる案を検討する。また、社債や上場投資信託(ETF)などリスクが高い金融商品の購入拡大も検討する。

日銀が国債を大量に購入することへの危惧に対しては、総裁は「中央銀行が金融緩和の手段として国際を購入することは当然で、財政ファイナンスすることにはならない」と否定した。長期金利の急上昇などの不測の事態を回避するためには「政府が中長期的に財政規律を守ることは重要だ」と述べ、政府が財政健全化に着実に取り組むよう要請した。

[黒田新総裁会見のポイント]
  • デフレから脱却し、2%の物価上昇目標を早期に達成するのが日銀の使命
  • 物価目標の達成に向け量的、質的に大胆な金融緩和を進める
  • 中央銀行が金融政策手段として国債を購入するのは当然で、財政ファイナンスにはならない   
  • いまバブルの懸念があるとは思わない
  • 現行の日銀法で日銀の独立性は担保されている

(参考文献:信濃毎日新聞)


[先頭] [Home] [今週のトピック目次]