[金融政策]

(1)アベノミクスに沿った日銀の政策変更(1/27) ***

日銀は、デフレからの脱却に向け政策連携を強めるため、政府と共同声明をまとめ、金融緩和を拡大する政策転換に踏み切った。

これまでと何が変わったかというと、日銀が物価上昇率を2%とする明確な目標を導入したことが最大の特徴だ。また、国債の買いオペなどにより、お金を多く供給し金利を下げ、企業や個人が借りやすくする金融緩和のやり方も変える。現在は期限を決めて買い入れているが、来年からは毎月一定額を無期限で買う方式に改める。ただ、日銀に批判的な専門家には「まだ不十分だ。もっと規模を拡大すべきだ」との不満がくすぶっている。

日銀は昨年2月、中長期的に望ましいと考える物価上昇率を前年比2%以下のプラスの領域と発表した。目指す上昇率も「当面は1%がめど」と説明し、「目標」とはしなかった。昨年12月の追加金融緩和では、国債などを買い入れるための基金を10兆円上積みし、今年の年末を期限に101兆円に増やすことにした。

だが安倍晋三首相は、日銀の物価への姿勢を「あいまいで分かりにくい」とし、緩和のやり方も「小出しだ」厳しく批判した。デフレの長期化は日銀に大きな責任があると主張し改善を強く迫った。安倍氏の自民党が衆院選で圧勝し日銀は金融政策の進め方を議論し、「めど」を(目標)に切り替えることを決定した。同時に来年以降は期限を定めずに国債などを毎月13兆円買い続けることも表明した。無期限方式の買い入れを、物価目標の達成に必要な時期まで継続すると約束した。償還を考慮すると、買入れ基金の残高は来年中に10兆円増えて111兆円になる見込みだ(参考文献:信濃毎日新聞)。


[自動車産業]

(1)自動車生産、12年国内7社プラス(1/29) ***

自動車主要8社の12年の国内生産台数は、エコカー補助金の後押しを受け、トヨタや日産など7社が前年を上回った。8社合計の台数は前年比18.3%増の943万6015台だった。東日本大震災で減産を強いられた11年から一転し、大きく販売を伸ばした。

メーカー別には、トヨタが前年比26.6%増の349万2913台だった。小型のHV車のアクアを中心にエコカーが売れた。日産もHVモデルを追加したミニバンのセレナの好調などにより3.2%増だった。ただ、エコカー補助金の終了や日中関係の悪化による中国での販売減により、各社の国内生産と輸出は12年秋から失速した。13年の動向に関しては厳しい見方が多いが、足元の円安基調が続けば明るい兆しも見えそうだ。

海外生産は、米国や東南アジア市場が好調なため、マツダを除く7社がプラスだった。6社は過去最高を記録した(参考文献:信濃毎日新聞)。

(2)トヨタ世界販売首位に返り咲き(1/29) **

トヨタ自動車は、子会社を含めた12年の世界販売台数が前年比22.6%増の約974万8千台と過去最高を記録した。GM、フォルクスワーゲン(VW)を上回り、2年ぶりに世界首位に返り咲いた。08年から3年連続で首位だったが、11年は東日本大震災やタイ洪水被害などによる部品不足で生産が落ち込み、GMなどに抜かれた。12年はエコカー補助金の追い風を受けた国内市場を始め、トヨタの主要市場の北米や東南アジアで販売が好調だった(参考文献:信濃毎日新聞)。