[国内景気動向]

(1)景気下げ止まり兆し−1月月例報告(1/24) ***

甘利経済再生担当相は、1月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出した。個人消費や生産に持ち直しの動きが出ており、景気の基調判断を「弱い動きとなっているが一部に下げ止まりの兆しも見られる」として、前月から上昇修正した。判断引き上げは、8か月ぶりだ。

甘利再生相は「円高是正や株高が企業マインドに好影響を及ぼしつつある」と述べ、先行きも緊急経済対策の効果などで景気回復に向かうことが期待できると指摘した。一方で、海外景気の下振れをリスク要因に挙げた。

1月の個別項目では、個人消費を、自動車の販売増加や冬物衣料の好調を背景に「このところ底堅い動きとなっている」に上方修正した。生産は先行きに大きな伸びが見込めるため「下げ止まりの兆しがみられる」とした。いずれも2カ月連続で判断を引き上げた。

業況判断は1年3か月ぶりに上方修正し「一部に改善の兆しもみられる」とした。世界経済の基調判断は米国、中国ともに明るい兆候があることから「底堅さも見られる」とし、2か月ぶりに上方修正した。


[外国為替市場]

(1)円安警戒、海外から逆風(1/23) ***

市場に歓迎されてきたアベノミクスだが、22日の東京市場では乱高下の末、円相場は上昇、平均株価も下落した。

海外からは、逆風が押し寄せている。円相場を意図的に安くして、日本だけが輸出で優位に立とうとしているとの見方からだ。このような動きは、他の国が追随することで  通貨安競争につながりかねないとされる。国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は「いかなる形態でも通貨安競争は支持しない」と名指しを避けながらも警告した。ロシア中央銀行のウリュカエフ副総裁は「日本は円相場を押し上げている」と不快感を示した。ロシアは、2月の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の議長国だ。アベノミクスが、国際会議で議題になる可能性もありそうだ。