[金融情勢]

(1)政府・日銀、物価上昇2%明記(1/14) ***

政府と日銀が締結を検討している合意文書の骨格が13日、分かった。物価上昇率2%の目標を明記し、両者が一体となってデフレ脱却や円高修正に向けた政策を推し進める姿勢を強く打ち出した。日銀は、昨年2月に導入した事実上のインフレ目標を一段と明確化させ、目標の達成が見通せるまで強力な金融緩和を続ける。衆院選に圧勝した安倍晋三首相の求めに応じ、日銀はより大胆な金融政策運営に踏み出す。政府と日銀は21日からの金融政策決定会合で、文書の内容を協議し最終決定する。

ただ政府は、政府からの独立が認められている日銀の政策を縛りすぎないように目標の達成時期は明記せず、金融緩和の具体的手法は日銀の判断に委ねる。独立性への配慮から、拘束力を伴う政策協定「アコード」ではなく、合意文書や共同声明などとして取りまとめる。

[合意文書のポイント]
  • 物価上昇率2%の目標を明記
  • 日銀は目標達成が見通せるまで強力な金融緩和を実施
  • 金融緩和の手法は日銀が判断
  • 政府は規制緩和など成長戦略を推進
  • 政府は中長期的な財政健全化に取り組む


[自動車産業]

(1)北米国際自動車ショー開幕(1/16) **

2012年の米自動車市場は前年比で13%増加し、5年ぶりに1400万台を回復した。13年には1500万台半ばになるとの予想も出ており、本格回復に向かっているといえる。一方、昨年まで大幅に伸びてきた中国など新興国市場はやや頭打ち感が出ているほか、欧州市場は債務危機の影響で厳しい状況が続く。

このため、新興国頼みだった各社は、改めて米市場に注目している。安定的に利益が取れるとして、米国に売れ筋を積極的に投入する方針に転換した。日系メーカーでは、トヨタが主力小型車のカローラの試作車、日産は高級車ブランド「インフィニティ」の中級セダンQ50などと、いずれも既存の技術を応用した戦略車種を出展した。逆に、日本勢が得意としてきた環境対応車の出展は目立たず、シェア拡大を念頭に置いた車種選定となった。

欧米メーカーも同様だ。ダイムラーは、主力ブランドメルセデス・ベンツの最重要車種Eクラスの大幅改良車を世界初公開した。GMも7世代目となる高級スポーツカー「シボレー・コルベット」の新型を公開した。各社とも利幅が大きい高級車、大型車を前面に押し出す姿勢が目立った。