[国内景気動向]

(1)市場の期待過熱気味に(2/7)***

日銀の白川総裁が任期途中の辞職を表明したことを受け、東京市場では円安株高が加速した。安倍政権の経済政策「アベノミクス」に市場の期待は加速気味で、日銀新体制は金融緩和の強化が至上命令になりそうだ。円安による企業業績の改善傾向も株高を支えている。

白川総裁の辞職で、日銀は3月20日には新体制へ移行する予定だ。金融緩和が早期に進むとの思惑から海外の投機マネーが流入し、日本株買いが勢いづいているとみられる。

政府は次期総裁と副総裁2人の人選を急ぎ、安倍首相が近く最終判断する。財務相0Bや学者ら数人が浮上しているが、首相が求める大胆な金融緩和を約束することが前提となりそうだ。市場では、だれがなっても2%の物価目標達成に向けた取り組みを強めるとの見方が広がっている。新体制で初めて追加緩和を議論する金融政策決定会合は4月3〜4日に予定されている。新体制発足直後に臨時の決定会合を開いて追加緩和を決め、デフレ脱却に向けた本気度を示すのではないかとの観測も出ている。

金融緩和への期待から、6日の東京外国為替市場の円相場は一時1ドル=94円台と約2年9か月ぶりの円安水準を付けた。円安により、製造業は輸出採算が好転しており、業績の上方修正が相次いでいる。

ただ、市場では、円安頼みには限界があり、今後は政府の成長戦略の具体化に目を向けていくとの声も少なくない。政府が雇用拡大や投資増加につながる新たな政策を示せなければ、上昇相場に冷や水が浴びせられる懸念もある(参考文献:信濃毎日新聞)。