[国際金融情勢]

(1)欧州中銀0.5%に利下げ(5/3) ***

欧州中央銀行(ECB)は2日、主要政策金利を0.25%引き下げ、0.5%とすることを決めた。引き下げは10か月ぶりで、金利は過去最低を更新した。異例の低金利により景気の下支えを図る。

ドラギ総裁は利下げの理由を「景気の下振れリスクが大きく、需要はさらに弱まる恐れがある」と説明した。さらに景気動向次第では、さらに金融緩和を実施する考えも強調した。

ただ、経済危機の国々で、利下げが中小企業などの資金繰り環境をどこまで改善できるか懐疑的な見方が多い。ユーロ圏17カ国の中でも、経済が底堅いドイツなどの国と、経済危機に揺れるスペインやイタリアとの格差は大きく、スペインなどではこれまでのECBの金融緩和にもかかわらず、市中銀行の貸し渋りが広がっている。今回の利下げも設備投資などを刺激する効果があげられるか、不透明感を伴う。

日米欧などの金融緩和による大量の資金流入を受け、欧州でも株式市場が活況となる一方、失業者の増加が止まらない現状に、ドラギ総裁は焦燥感をあらわにした(参考文献:信濃毎日新聞)。