[金融情勢]

(1)物価上昇2%達成、15年度早期(4/27) ***

日銀の黒田総裁は、物価上昇率が2015年度の早い時期に2%に達する可能性が高いとの見通しを示した。大規模な金融緩和により景気回復が進むとの想定を反映し、13,14年度の物価見通しを大幅に上方修正した。そして、物価上昇目標を2年後に達成する道筋を明示した。

この通りであるとすればデフレ脱却に大きく近づくことになるが、日本経済が輸出に依存する海外経済には陰りが見える。黒田総裁は、政府に成長戦略と財政健全化を着実に実行するように要請した。

日銀が26日決定した「経済物価情勢の展望(展望リポート)」は、15年度の年間の物価上昇率を、消費税値上げの影響を除いて1.9%と予測している。総裁は「15年度の早い時期か前半に、2%に到達すると考えている政策委員が多いと思う」と説明した。13年度の物価上昇率は0.7%、14年度は消費税の影響を除き1.4%と見込んだ(1月時点では、それぞれ0.4%、0.9%)。

総裁は「消費はやや加速しつつあり、雇用や賃金でも前向きな動きがある」として、大規模緩和が順調なスタートを切ったと強調した(参考文献:信濃毎日新聞)。