[企業部門]

(1)iPhone5,米GDP最大0.5ポイント押し上げ(9/12) ***

米アップルが12日に発表するスマートフォン(多機能携帯電話)の新機種「iPhone5」が、米GDP成長率を最大0.5%押し上げるとの試算を、米金融大手JPモルガン・チェースがまとめた。

欧州など世界的景気減速で米経済の先行きに不透明感が漂う中で、iPhone5は景気の浮揚効果が期待できるという。

JPモルガンは、10〜12月期にアップルがiPhone5を米国で約800万台販売すると予測した。1台は約600ドルである。これにより、米GDP成長率を年率換算で0.25〜0.5%引き上げる可能性があるとしている(参考文献:信濃毎日新聞)。

(2)円高の下、トヨタ海外で値上げへ(9/14) ***

トヨタ自動車は、歴史的な円高水準の長期化により海外で販売する車両を値上げする方針を明らかにした。輸出車の円換算での売上高が減少し採算が悪化したため、値上げにより収支の改善を図る。海外での値上げは、販売減につながる恐れがあり、競争力がある車種に限定する。為替レートの変動を受けにくい体制を目指し、現地生産化の海外戦略も加速させる。

国内生産や輸出を担うトヨタ単体の12年3月期決算の営業損益は、4年連続の赤字だ。13年3月期は、700億円の赤字の見通しだ。

トヨタの13年3月期の国内生産は、340万台の計画だ。輸出台数は195万台の見通しで、北米向けが73万台と最も多く、欧州向けが37万台、中近東向けが29万台と続く。これらの採算を改善し、黒字化を目指す(参考文献:信濃毎日新聞)。


[金融情勢]

(1)日銀が景気判断引き下げを検討(9/10) ***

内閣府が10日発表した4〜6月期のGDP改定値は、実質で前期比0.2%増、年率換算で0.7%増となり、速報値の年率1.4%増からか下方修正された。4四半期連続のプラス成長は変わらなかったが、景気の回復ペースが大幅に鈍化したことが改めて確認された。これを受け、日銀は18〜19日に開く金融政策決定会合で、景気の現状判断を引き下げる方向で検討する。ただ内需の底固さを背景に、景気は大きくは崩れないとして追加金融緩和は見送る公算が大きい。

下方修正は、速報値の後に発表される法人企業統計を反映して、各需要項目を見直した結果、原材料にかかわる民間在庫の寄与度を前期比マイナス0.2%に下方修正したのが響いた。企業の設備投資も前期比1.4%増に下方修正された。政府支出は医療費などの現物給付が減ったため速報値から引き下げ、0.2%増にとどまった。一方、住宅投資と公共投資は、わずかに上方修正された。

日銀はこれまで、復興需要などで堅調な内需が外需の低迷を補い、日本経済全体としては緩やかに持ち直しつつあると判断してきた(参考文献:信濃毎日新聞)。


[EU経済]

(1)ポルトガル財政再建目標を先延ばし(9/12) ***

欧州連合(EU)などの財政支援を受けているポルトガルは、財政再建目標の達成を先延ばしすることでEUなどと合意したと発表した。

財政赤字の対GDP比を3%未満にする期限を、当初目標の2013年から14年にすることが柱だ。歳出削減を急ぎすぎると景気がさらに悪化し、税収の減少などを通じて財政再建自体を危うくするとの懸念に対応した。13年の財政赤字目標はGDP比4.5%、12年は5%にそれぞれ緩める。約780億ユーロの支援総額自体は変えない(参考文献:信濃毎日新聞)。