[企業部門]
(1)デジタル家電総崩れ(11/2) ***
電機大手8社の13年3月期の連結決算の業績予想は、海外勢との競争に敗れ、テレビなどのデジタル家電事業が総崩れとなった。シャープとパナソニックの関西系2社の純損失の合計は、1兆2千億円を超えた。日中関係の悪化や長引く円高の影響で他の6社も振るわず、NECを除く7社が売上高の見通しを下方修正した。
サムソン電子やLG電子など韓国勢は、低価格を武器に世界市場で攻勢を強めており、国内各社の劣勢が鮮明になっている。日本の製造業を支えた電機メーカーは、瀬戸際に立たされている。
沖縄県・尖閣諸島をめぐる日中関係の冷え込みや中国景気の減速も経営環境を悪化させている。中国で建設機械の販売が落ち込んだ日立製作所は、前期比で大幅な減益となる。
電機8社が発表した12年9月中間連結決算も中国問題や円高が経営の足かせとなり、シャープとパナソニックのほか、ソニーと富士通も純損益が赤字だった(参考文献:信濃毎日新聞)。
[国内金融情情勢]
(1)日銀、11兆円追加緩和(10/31) ***
日銀は、30日の金融政策決定会合で、国債などの資産買入れ基金を11兆円増額し、91兆円とする追加金融緩和を決めた。また、金融機関に年利0.1%で無制限にお金を供給する「貸出支援基金制度」を創設した。銀行などが企業や個人にたくさんお金を貸すよう後押しする姿勢を鮮明にした。追加緩和は9月に決めたばかりだ。2か月連続は03年4,5月以来9年半ぶりだ。同時に公表した「経済・物価情勢の展望」でゃ、14年度の消費者物価上昇率の見通し(生鮮食品除く)が0.8%と事実上のインフレ目標としている1%に届かず、デフレ克服は遠のいた。
欧州債務危機や新興国の成長減速で、日本経済にも不透明感が強まっており、日銀は日本経済が失速する瀬戸際にあると判断したため、今後も金融緩和を続ける。政府も一層の対策を迫られる。政府と日銀は共同文書を発表し「デフレからの早期脱却に向け一体で最大限努力する」と表明した。白方総裁は「日本経済の先行きは下振れリスクを意識する必要がある」と述べた。
資産買入れ基金は、長期国債と短期国債の購入枠をそれぞれ5兆円増やす。このほか、比較的リスクが高い上場投資信託(ETF)などの購入枠も拡大した。貸出支援基金は、貸し出しを増やす銀行や信用金庫などの希望に応じ、日銀が無制限に低利のお金を貸す仕組みだ。金融機関は長期間、安定的に有利な条件でお金を借りられる。これにより投資をする企業や、住宅や自動車を買おうとする個人に、金融機関がお金を貸しやすくする(参考文献:信濃毎日新聞)。