[企業部門]

(1)ソフトバンク、米携帯大手買収(10/16) ***

日系自動車メーカーの中国での新車販売台数は9月、トヨタがほぼ半減となるなど、大きく落ち込んだ。日本製品の不買運動などを背景に、大幅減が長期化すれば各社の経営に大

ソフトバンクが米携帯電話3位のスプリント・ネクステルの買収に動き、15日正式発表された。株式取得などにかかる巨額の負担に加えて、設備投資額も大きく膨らむことが予想され、競争に勝ち抜けるか疑問視する声も上がっている。

ソフトバンクは06年の英ボーダーフォン日本法人の買収で携帯電話事業に参入したが、純有利子負債は2兆円以上に拡大した。市場からは経営の先行きを不安視する指摘が相次いだ。しかし、米アップルのiPhoneの好調な販売にも支えられ、12月3月期の決算の営業利益は過去最高の6752億円となった。借金も順調に減り、次の一手を繰り出す機は熟した。

買収合意が伝わった15日の東京市場では、ソフトバンクの株価が下落し、ともにiPhone販売を手掛けるKDDI(au)の時価総額を下回った。巨額の借金への不安からだ。

だが、総額約201億ドルの買収劇を大規模融資する銀行団の見方はやや異なる。あるメガバンク首脳は「もっとも不思議なのは、孫社長が大勝負で絶対に負けないということだ」と語り、劣勢だった携帯電話事業を急成長させた孫氏の経営手腕を評価する。

米金融市場は「赤字続きのスプリントに資金源が現れた」とする。5年連続で純損失を計上し、約210億ドルの長期負債を抱えるスプリントである。米金融市場では、ソフトバンクが救世主になるとの期待が強まっている。

米携帯通信業界では、ベライゾン・ワイヤレスとAT&Tが圧倒的な2強だ。スプリントは合併で規模を拡大してきたが、通信方式の違いから統合効果が出せず利用者離れに悩まされてきた。高速通信サービスLTEも始めたばかりで、苦しい戦いが続きそうだ。   ただ、ソフトバンクは買収により米国で多くの周波数帯を獲得できる。周波数は持っていること自体が価値であり、これからも希少性を増す。関係者の間では、孫氏が下位グループの統合を主導し、2強に挑む構図を予測する声も出ている(参考文献:信濃毎日新聞)。


[EU経済]

(1)EU、銀行一元監督13年に(10/20) ***

欧州連合(EU)は、19日の加盟27か国の首脳会議で、ユーロ圏の銀行監督一元化を2013年1月以降に段階的に導入、同年中に実現することで合意した。域内の全銀行6千行を対象に、年内に法的枠組みを決定する。

銀行監督の一元化は、財政危機のユーロ加盟国を支援する「欧州安定メカニズム(ESM)」から銀行への直接資本注入を実施するための条件だ。今回の合意により、13年中にも経営が悪化したスペインの銀行などへ直接、資本注入できるようになる。

ファンロンパイEU大統領は「銀行監督の一元化は重要な第一歩だが、破綻処理や預金保険などの共通化も進めなければならない」と強調した。

金融市場は、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が9月上旬に発表した財政難の国への国債買い支え策を好感し、なぎの状態が続いている(参考文献:信濃毎日新聞)。