[欧州経済]

(1)スペイン大手銀行1.9兆円注入、国有化へ(5/26) ***

経営危機のスペイン大手銀行のバンキアは、スペイン政府に190億ユーロ(約1.9兆円)の資金支援を要請すると発表した。スペイン政府は応じる見通しで、同行の株式の9割程度を保有するとみられる。事実上の国有化で、国内だけでなく欧州の金融部門に不安が広がるのを防ぐ考えだ。

バンキアは、5月上旬に事実上の公的資金約45億ユーロを注入された。さらに、政府が「少なくとも90億ユーロの公的資金を注入する用意がある」と表明した。しかし、米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズがバンキアを含むスペインの5銀行を格下げすると発表した。不安の拡大を防ぐには、資金注入の大幅な積み増しが必要と判断した。

金融市場の不安がバンキア以外の銀行や、スペイン以外の欧州域内の銀行部門にも波及すれば、企業や家計へのお金のめぐりは悪くなり、実体経済に悪影響を与える可能性がある。スペイン政府は、大規模な公的資金注入で、こうした事態を阻止する方針だ。

バンキアは、不動産関連の融資や資産が多く、スペインの不動産バブル崩壊の影響を最も多く受けた銀行とされる。デギンドス経済相は、「バンキアは特殊な例」と語り、他の金融機関に同様の懸念はないと主張している。(参考資料:日本経済新聞)


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