[WTO]

(1)ロシア、WTO加盟(8/21) ***

ロシアは、22日世界貿易機関(WTO)の156番目の加盟国となる。11年に中国がWTO加盟入りした後、ロシアは未加盟の最後の大国と呼ばれていた。

外国企業にとって輸出や投資のチャンスと見込まれているが、輸入関税率は段階的に引き下げられるため急激な変化はなさそうだ。また、行政手続簡素化や汚職対策など、改善すべき障壁は残っている。

関税率のうち、日本からの主要品目である乗用車は、新車が加盟に伴い30%から25%となり、今後7年間で15%まで引き下げられる。中古車も35%から25%とされた後、最終的に20%まで移行する。一方で、中古車の税率が高い「自動車リサイクル税」の導入が決まっており、事実上の保護主義政策と見られている。

WTO加盟で、ロシアのGDPは今後10年間で11%成長すると世界銀行が試算している。ただ、農業や中小企業が安価な輸入品に太刀打ちできず、失業者の増加につながるとして、最大野党の共産党は懐疑的だ。

ロシアはGDPで世界11位だ。同国加盟の2日後に南太平洋の島国バヌアツがWTO入りする。年内にはラオス、イエメンの加盟も実現し、WTOは159カ国・地域体制となる見通しだ(参考文献:信濃毎日新聞)。


[企業部門]

(1)米アップル、時価総額49兆円(8/22) ***

20日のニューヨーク株式市場では、米アップルの株式時価総額が6235億ドル(約49兆5千億円)となり、マイクロソフトを上回り世界の企業で歴代最高となった。2位の石油大手エクソンモービルより5割以上高いほか、日本最大のトヨタ自動車(約11兆2千億円)の4倍強である。

携帯電話のiPhoneやタブレット端末iPadの小型版が近く発表される予定で、引き続き買いを集めた。株価は今年だけで64%上昇し、時価総額を押し上げた(参考文献:信濃毎日新聞)。


[金融情勢]

(1)FRB追加緩和観測、日銀にも強まる圧力(8/24) ***

米連邦準備制度理事会(FRB)が9月にも追加金融緩和に踏み切るとの観測が強まり、23日の東京外国為替市場では1ドル=78円半ばまで円高ドル安が進行した。

米国の追加緩和が先行すれば、一段の円高が予想され、日銀は今後、経済界などから日本国債の購入増額といった追加緩和を求める圧力にさらされそうだ。

市場関係者の間でも「欧米の中央銀行に比べ、日銀が金融緩和に消極的なので円高が止まらない」との不満は根強い。しかし、日銀は既に、国債などを来年6月までに70兆円まで買い増す金融緩和策をとっている。ただ、歴史的な低金利が続く中で、日銀が国債を買い入れる入札額に、売り手の金融機関などの応札額が届かない札割れが続出した。市場では一段の金融緩和は困難との見方も出ている。

だが、世界的な金融緩和戦争になりつつある中で、日本だけがこの波にあらがえば、円の独歩高がさらに進む可能性は増す。それゆえ、FRBの動き次第では、日銀は金融緩和に追い込まれることもありそうだ(参考文献:信濃毎日新聞)。


[財政]

(1)ギリシャ、緊縮策実行へ猶予要請(8/25) ***

深刻な財政難のギリシャのサマラス首相は、ベルリンでのドイツのメルケル首相との会談後の共同記者会見で、EUなどによる金融支援の条件である財政緊縮策の実行には「息継ぎの時間がいる」と発言し、事実上緊縮策の緩和を求めた。

これに対してメルケル首相は、EUや国際通貨基金(IMF)などの査察チームの調査結果を待つ必要があるして、判断を先送りした。

債務危機の震源地ギリシャは予想以上に経済が悪化したため、緊縮策の緩和を求める意向を以前から固めていた。支援では最大の負担を被るドイツの理解を得たい考えだった。

ギリシャは115億ユーロ(約1兆1300億円)の追加歳出削減の実行期限を、2014年から16年へ2年間延長するようEU側に求める方針だ。

メルケル首相は「ギリシャのユ―ロ残留を望む」と表明し、財政再建路線の堅持を求めた。