[財政]

(1) エコカー補助金近く終了(8/5) ***

日本経済は、堅調な個人消費を背景に緩やかな回復が続いている。ただ、エコカー補助金は8〜9月にも予算切れになる見込みだ。需要を先食いした影響で予算切れ後は反動による販売減が不可避であり、消費全体を懸念する声も出始めた。

エコカー補助金は、燃費基準を満たすと新車購入1台につき普通車で10万円、軽自動車で7万円の補助が受けられる仕組みだ。2011年度の補正予算で約3000億円が計上され、昨年12月末からスタートした。効果は大きい、新車販売台数は今年1〜7月まで毎月、前年同月を上回った。みずほコーポレート銀行の予想では、4〜9月の国内需要は約239万台と前年同期比23.1%増える。震災で落ち込んだ反動もあるが、1〜6月の個人消費を大きく押し上げた。

ただ、補助金は8月には予算が尽きる。そうなると、9月以降の自動車需要はどうなるのか。これには前例があり、エコカー補助金は9〜10年にも実施されており、このときの制度終了後の10年10月に新車販売台数が前年同期比23%減、11月も26%減と大幅に落ち込んだ。今回の予算規模は前回の約半分だが、悪影響が出るのは必至だ。みずほ総合研究所によると、9月以降の反動減は84万台になる可能性がある。これは、10〜12月期の個人消費を1.2〜1.5%押し下げる計算になるという。

今年1〜3月期に実質年率4.7%増になったGDPをけん引したのは個人消費だ。その大半は自動車が支え、この構図は4〜6月期も続いた。しかし、この反動減により、10〜12月期は個人消費が前期比マイナスに転じる可能性もある(参考文献:日本経済新聞)。