[雇用情勢]

(1)「雇用にプラス」の自問(4/8)***

新入社員の今後の不安や緊張は分かるが、活躍の場があるだけよいともいえる。1年以上も就職活動を続けながら、活躍の場が定まらない若者たちは少なくないのである。

2月1日現在で、今春卒業予定の大学生の就職内定率は80.5%と最悪だった昨年の同時期を3.1ポイント上回ったものの、過去3番目に低かった。この状況が続くのは、ただ事ではない。

進路未定者に対しては「選り好みをしなければ就職先はある」との声も聞く。しかし、新卒以上に転職市場が厳しい中、希望の職場を求める学生たちを「自己責任」の一言で切り捨てる気にはなれない。政府にはハローワークなどを通じた職場紹介にも力を入れてもらいたいが、最大の雇用対策は、景気を力強く回復させることだ。

米国の場合、中央銀行の連邦準備制度理事会(FRB)は、お金の価値を守る「物価の安定」と共に、「雇用の最大化」が使命だと法律にある。日本でも、政府や日銀は、その一挙手一投足が「雇用にプラスか」と、自問してほしい。たとえば、超円高や高い法人税、電力不足など幾重にもマイナス要因がある国内経済を、少しでも改善する成長戦略の知恵はないだろうか。

将来に希望を抱くという若者の特権を、一人でも多くの若者に実感する社会になってもらいたい(参考文献:読売新聞)。


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