[雇用情勢]

(1)「働き手」人口の5割切る(7/24) ***

少子高齢化を背景に、労働力の減少が加速している。失業者を含めた労働力人口は、10年に6241万人となり、5年前に比べ4.6%減った。総人口に占める割合は48.7%と、25年ぶりに5割を下回った。これは、若年世代の人口が減っているためだ。20〜30歳の働き盛りの世代の人口が、250万人減ったことが大きな理由だ。この傾向が続けば、製造業の海外移転に拍車をかけかねなく、社会保障の担い手もさらに手薄になる。

地方の金型工場などでは国内で若年労働者が確保できないとして、中国に工場を移す動きも出始めている。医療・介護でも人手不足が慢性化している。介護最大手のニチイ学館は、700人の新卒採用を予定していたが内定者数は半分以下にとどまった。

内閣府は「労働力人口の減少が続けば、潜在成長力は30年に0.5%程度押し下げられる」と試算する。

労働力の減少に歯止めをかけるためには、女性が働きやすい環境を整えた上で、中長期的な視点で少子化対策を進める必要がある。


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