[EU経済]

(1) ギリシャ追加支援(7/22) ***

欧州連合(EU)のユーロ圏17カ国は、財政危機に陥ったギリシャに総額1600億ユーロ(18兆円)程度の第2次金融追加支援を行うことで合意した。EUとIMFによる公的支援は1090億ユーロで、EU域内銀行など民間投資家はギリシャ国債への再投資などの形で370億ユーロ負担する。

投資家が一定の負担を被る支援の決定を受け、格付け会社はギリシャの格付けを債務不履行(デフォルト)と認定する可能性がある。EUは民間が再投資する国債に一定の保証をつけることで合意した。

支援は、GDP比で約160%と巨額の債務を抱えるギリシャ政府の利払い負担を減らす狙いだ。EUなどによる金融支援は、10年5月に次ぎ2回目だ。さらに、EU,IMFは、第1次支援を含め、ギリシャ向け融資の返済期間を現在の7年半から15〜30年に延長する。年4%以上だった融資金利も、年3.5%程度に引き下げる。

ただ、今回の合意は、ギリシャの14年半ばまでの資金繰りにめどをつけただけだ。2度目の時間稼ぎといえ、不安はくすぶり続けそうだ。ギリシャ財務省によると、1〜6月の財政赤字は、当初の目標を超えている。肝心の財政赤字削減が進まなければ、不安の芽は消えない。

今回の支援では、周辺国への波及にも配慮した。ギリシャと同様、EU,IMFが支援中のアイルランド、ポルトガル向けの融資の返済期間、金利など返済条件もギリシャと同水準に緩和し、債務不履行のリスクを減らす。アイルランドは12年後半、ポルトガルは13年後半に、金融市場に復帰することを目指している。

参考資料:
ギリシャのGDP 3,048億ドル
ギリシャの一人当たりGDP 26,965ドル