[中国経済]
(1)中国GDP世界2位(1月20日) ***
中国国家統計局は、2010年の国内総生産(GDP)が実質で前年比10.3%増えたと発表した。10%台となったのは、3年ぶりだ。世界的金融危機から抜け出せない日米欧とは対照的な高成長を実現した。名目GDPが日本を抜いたのは確実で、日本は42年間にわたる世界第2位の経済大国の地位を中国に譲る。
大和総研によると、中国の10年の名目GDPはドル換算で5兆8895億ドルだ。日本が中国と肩を並べるには、10年10〜12月期の名目GDPが前期比27%増になる必要があり、10年の日中逆転は確実となった。
中国の高成長の原動力となったのは、公共事業を柱とする投資だ。10年の都市部の設備投資や建設投資の合計の伸びは、前年比24.5%増だ。10年3月までは成長を押し下げる要因だった外需も、年央から急速に回復している。10年の輸出額は31.3%増の1兆5779億ドルに達し、09年に続きドイツを抜き世界一になったもようだ。新車販売台数が32.4%増の1806万台と2年連続で世界一になるなど、個人消費も堅調に推移した。ただ、GDPに占める消費の割合が4割弱にとどまり、7割の米国、5割強の日本に比べなお小さい。